徒然なる随筆

5.実は管理人は日産党!(・・・だった・・・(^^;))


 私は子供の頃から日産党でした。過去形です。
 なぜ過去形かといえば日産が私たち日産党の期待を裏切る商品を出し続けるから堪忍袋の緒が切れたんです。

 前章で日本メーカーをはじめとして後発であるアジアのメーカーが構築可能なブランドの作り方は2通りあると書きました。
 そのウチの1つ目を、更に実際にあった2パターンの方法に分け書いてみます。
 2つ目は将に新技術で新市場を開拓するような話なので具体的な作戦には沢山の選択肢があるだろうからまた後日書きます。



 話の前提として押えなければならない事ですが、悲しい事に世界には人種差別が存在します。
 奇麗事を言ってもしょうがない、自由の国アメリカにおいても人種は差別されますし欧州においては貴族と平民という潜在的な階層意識が今でも存在します。
 そして我々アジア人、有色人種は決して高い地位で見られていないと言う事実を認識しなければなりません。
 それでも尚、市場で勝ち抜く為に高価でも選ばれるブランドを作らなければならないのです。

 実はその2通りの方法でブランドとして確立された車があります。
それを実現させたメーカーは、今の商品企画を見ると信じられませんが日産自動車です。

 そもそも『ブランド』は持ち主であるお客さまがその車に強い思い入れを感じなければなりません。思い入れの根底には『プライド』『自信を持てる事』が必要です。
 この『プライド』を国民レベルで満足させたのが『スカイライン』です。
 そしてこのスカイラインのケースがブランド構築メカニズムの第1の手法です。

 キーワードは『データ実績による高性能の証明』です。
 この『高性能』とは『速さ』と置き換えても構いません。

 マークUや3000GTなど他にも280馬力を誇る高性能車があるのに、明らかにそれらと区別されスカイラインがブランドと言われる為には『他の車がやらずにスカイラインだけがやった事』があるはずです。その違いこそがブランド構築のキーワードになります。
 そう、『イメージで宣伝するのではなくスカイラインは実績で示した事』が重要なのです。

 『スカイライン伝説』の延長にあるからこそ『スカイラインブランド』ですが、伝説は言うまでもなくレースで並居る『高価で買えない憧れの外車』を相手に連勝したという事実です。
 ポルシェなど高価な外車と皆が見ている前で互角以上に戦う姿、その孤高の存在に対して日本国民のプライドを擽ったからこそ神格化されたのです。

 これは先日行われたサッカーワールドカップや野球の世界大会で戦う日本代表チームを応援する時の熱狂する感情と同じです。


 車のモデル構成として、プライドを擽ったイメージリーダーのGTRが存在します。
 これは多売する必要はありません。逆になかなか買えない価格帯である事が大切です。
 何故ならそれが若いドライバーの憧れと言う感情を掻き立てるからです。
 これにより次世代にもスカイラインブランドが継承されるのです。
 この次世代の若い人たちに支持されると言う事無しに継続的なブランンド戦略は組めません。

 またGTRが買えない人でもそのイメージを色濃く引き継ぐ標準車なら買えるようにしています。
 この標準車はライバルの車両より少し高くてもスカイラインというブランドイメージでGTRよりは安いというお買い得感を感じられます。

 もちろん標準車もスカイラインを名乗るにふさわしいシャシー性能を持つ事が絶対条件ですが、実際高価でも高いと感じず逆に買えた事で所有する喜びをもたらせます。
 ここに『高価でも売れると言う二層構造の図式』が成立します。
 スカイラインとGTRはブランド構成上切り離してはいけないものです。


 こう書いているとR32というモデルは上記『スカイラインブランド』の全条件を満たしている事が判ります。


 もう少しスカイラインについて書きたいと思います。
 実際のレースではタイヤのサイズやエンジン出力が規制されますから、その制約のなかでも速さを見せ付けるためにスカイラインにはシャシー性能を向上させる為にやらなければならないデザイン上の制約があります。
 それは車体を軽くし重心を下げる為に車体は小さく低くなければいけないと言う事です。
 また家族を乗せる車として室内の容量を稼いだ上で。

 これを両立させるデザインコンセプトこそ『ロングノーズ、ショートデッキ』というものです。
 ショートデッキはコンパクトな車体でロングノーズ化すれば必然的になるプロポーションですが重いガラスの面積が小さくなる為全体の重心が下がるのです。

 何処かで聴いた事があると思いますが、これはR34までのスカイラインに踏襲されてきた形状そのものです。イメージではなく論理的な帰結です。

 スカイラインはブランドを構築するリーダーとして、大出力のエンジンを載せられるようにかつ前後の重量配分改善のため『キャビンを後ろに下げる』ことと、更に旋回時の左右の重量配分を改善させる為に『ボンネットを下げる』と言うコンセプトでなければなりません。

 また技術の先進性を表現する為に新技術新機構を取り入れることも必要ですが、元々優れているシャシー性能を更に引き上げる様な物でなければなりません。
 元々ダメなシャシーをマトモに走っているかのように錯覚させる、運転者を騙すような技術なら採用しない方がいいでしょうね。

 世界の一流GTカー(ベンツ、BMW、フェラーリやマセラティ、アストンマーチンなど)をも見据えてスカイラインGTRを作るなら、欧米のレースレギュレーションに合わせて作るべきですが、現在のレースでは4WDが使えないので正統派で行くしかありません。
 つまりボディをコンパクトに、例えば車高は1300mm以下、ホイールベースは2600〜2700mmで車重は1500kgf以下で4人乗り。

 解り易いイメージで言うとR32とR33GTRの中間のサイズで、現行V36スカイラインとやらと比べると少なくともホイールベースを150mm縮め160mm車高を下げ150kgf軽くすると思えば良い。

 出来ればエンジンをドライサンプ化して重心を下げ、トランスアクスルにより前後の重量配分を改善するとか、まさに本気モードですがこれらの技術は既に海外の車両に採用されている当たり前の技術です。

 まぁここまで出来る日本のメーカーはいないのでしょうけど、これが本来標準型スカイラインの目指すべき姿です。
 更にGTRはこれに大出力エンジンを載せる事でどのメーカーにも負けない速さを身に着ける必要があるんです。

 この実績で証明された高性能と言う価値は、『国や人種を超えて一目置かれる』事になるでしょう。
 『国や人種を超えた価値で一目置かれる』と言う事がアジア発の自動車メーカーが世界を見据えてブランド構築するための最重要テーマです。
 たとえ貴族のような車に出会っても、所詮鈍ガメじゃないかと思える優越感を感じさせてくれるのだから。

 これが出来るのは『スカイライン』と言うブランドをもつ日産だけですが、今のスカイラインを見ると全くブランドが判っていないとしかいえません。
 スカイラインブランドは日産によって殺されてしまいました。



 第2の手法は、かつて北米でフェアレディZが欧州で初代プリメーラがやった手法です。
 またこの考え方は多くのトヨタ車にも当てはまります。

 これは先のスカイライン事例とは違い積極的に劣等感をも利用する手法です。
 解り易い表現として『プアマンズポルシェ』『プアマンズフェラーリ』と言うのがあります。
 この表現が全てを物語っているのですが、ポルシェは買えないけどスポーツカーが欲しい人向けにフェアレディZは存在しました。
 ここで重要な事は『値段は安くても車としての完成度は高価な車と同等である』と言う事です。

 ここでポイントとなるのは操作感覚です。
 安いのに想像を超える操作感があると言う事が大きなポイントになります。

 フェアレディで言えば、車好きのドライバーが買った後で気付く『成程。よく出来ているなぁ。』と言う感想の積み重ねが車の価値を高めます。
 『購入後に期待を超える満足感を得られること』で、評価が上がるのです。

 ポルシェのパワーは400馬力を超えていますから、これを凌ぐ性能を与える事は難しくなっています。
 しかしボディの作り方、ドライバーの座らせ方などで、ポルシェに乗っている人からもこの車良いねと言わしめることが出来ます。
 そして最後に海外(白人圏)で得た評判を日本に逆輸入することでブランド構築は完成します。
 この時、車を相場より高価に設定してもポルシェより安くしかも海外の評判を得ている事で高いと思われないのです。

 この『虎の威を借る狐作戦』では、車の素性が良くないと只の紛い物となってしまうのでバランスが難しい所です。
 またこの作戦の場合上位のブランドメーカー、例えばポルシェやベンツなどが安価なモデルブランドを立ち上げ同価格帯に値下げしてくると太刀打ちできなくなるんですけど。
 その説明は簡単です。
 カローラが値上げして400万円、ベンツが値下げして400万円だったら、あなたはどちらを買いますか?


 Z32はこの条件を満たしていたと思いますが、Z33はトンチンカンです。ツボを押えていないから『只の紛い物』としか見られません。

 私は以前Z33に乗っていたのでハッキリと言えますが、手を挟み易いドアノブ形状、近すぎて焦点移動が多く視認性の悪いメーター、リアガラスでハレーションを起こし後方視界の2/3を奪うオーナメント、設置位置が後ろ過ぎて握る前に腕がシートに当たり引けないパーキングブレーキレバー、2車線横が映る部分がカットされ車線変更時斜め後ろが見えないサイドミラー、ドライバーのグリップを妨げるステアリング形状、NAなのにターボより鈍いエンジンレスポンス、FFセダンのような挙動をする重心の高いフロントセクション・・・素性の悪さについて書くと枚挙に暇がありません。

 Z33オーナーの方には申し訳ありません。好きだったのに裏切られた事でより厳しい評価になっているかもしれませんが客観的な事実です。

 ダラダラと書いていますがこれが、アジアにおけるブランドの作り方と管理人が日産離れした理由です。
 恐らく日本で、いやアジアで唯一欧州車と肩を並べられる可能性のあるブランドを保有しながら、無策であるが故に全てダメにしている日産に対して許せないという思いがつのります。




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